「GATE」１９９８年に僕が制作した作品だ。
山梨にある「ナノリウム」という一軒家のギャラリーで開かれた
「GLASS-その瑞々しきもの」というグループ展の為に作ったものだ。

一辺の長さが１５センチから２０センチ、高さ３メートルちょっとの三角柱を削り、天空に向けそびえ立つように設置した。
昼間は日の光を受け、レインボーの輝きがガラスの中に煌めき、夜は映像を映し出すプロジェクションスクリーンの機能を持っている。

その後翌年と翌々年、二年続けて道志村のキャンプ場で野外イベントがあり
そこに展示した後、解体してずうっと工房の裏で眠っていた。
とても大きい作品なので、展示できるスペースも限られるため
もう人目に触れることは無いのではないかと思っていた。
だが今年の春、神奈川県の藤野町に「牧郷ラボ」という素敵な場所ができ、
そこに常設することになった。
「牧郷ラボ」は昨年、廃校になった小学校を借り受け、
アーティストたちがアトリエにしたり、住みながら制作活動をしているところで
藤野町ぐるみでしばしばイベントもありとても楽しい場所だ。
「GATE」はそんな「牧郷ラボ」の元校庭に場所を借り、今、凛と立っているのだ。
先日も「ひかり祭」というお祭りがあり、
音楽や光のアーティストたちの感動的なコラボレーションが行われ、
ぼくの「GATE」もその仲間に入れてもらった。

「牧郷ラボ」は昼間ならいつでも見学できるので
見に行ける方は是非見に行ってほしい。
作品の下に立てば「GATE」というタイトルが示す「入り口」が
どこに向かって開かれているのかきっとわかるから。

そして、今、僕は来年竣工のビルのアートワークの仕事で
もっとでかい「入り口」を現在制作中なのだ。
それができあがったらこのＢＯＯＫ　Ｃａｆｅでまたお見せしますのでお楽しみに。