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Episode 12
【 ガラス設置の日 その2 】



三角柱の傾きの調整が一段落すると、原塊のチェックに入った。
原塊は最後の1点がクレーンで設置されるところだった。
立てるバランスが一番難しいヤツだ。
それでも程なくするりとクレーンに持ち上げられ、所定の位置に収まっていった。
当日、現場の天気はよかったが、とはいえ1月の半ばだからそれなりに寒い日だった。
でも工事現場の人たちはからだを動かしているせいか、寒がる様子もない。
実際僕も現場を飛びまわっているうち、着ていたダウンジャケットが いらないぐらい暑くなっていた。
気持ちが高揚していたので寒さを感じなかっただけかもしれないけれど…
午後から再び現場に入って、2時間ほど作業をしたところで休憩時間になった。
あんなにいた現場の人数も、潮が引くかのようにどこかへ行ってしまい、 僕は一人で全景を見渡す時間を過ごした。
さんざん模型の世界でスケールを確認していた感覚が現実のものとなり、 目の前にたち現れた!「ああ、やっとここまできた。」そう思う瞬間だった。うれしかった。
この日、作品の配置が終われば後はライティングのテストが最終チェックになる。
今回の作品の要は照明だからまだまだ気が抜けない。
作業が終わってもこの子達がちゃんと僕の思い通り表現してくれるかどうか、 なんだか心配で作品が設置されている池の周りをぐるぐるまわってみたりした。

柱の立っている根元には水が張られて池になる 
照明のための配線

一本のロープで持ち上げられる作品

 




 
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