NEWS
■奥村禎秀プロフィール

『第一部 水族館の楽しみ方』

第1回「水族館を倍楽しむ方法」 第2回「水族館物語」 第3回「いい水族館わるい水族館」
第4回「水族館の形」 第5回「番外篇」

第6回「水族館、隠れた見所」

第7回「第6回世界水族館会議」 第8回「 水族館と万博 」  

『第2部 中国の水族館〜熱烈的超最新レポート!!

第1回 大連老虎極地水族館

第2回 青島極地水族館(チンタオ キョクチスイゾクカン)

   
第3回 中国水族館(番外篇)        
第6回「 水族館、隠れた見所(見ます、見せます、脱がせます) 」


グリーンランドで型どった擬岩





擬岩の模型

擬岩の模型で作られた岩

水族館は基本的に、水槽の中をゆったりと泳いでいる魚を 良い環境の中でのんびりと
大人はロ―ンの事、 年金の事、 みーんな忘れ、子供は塾の事、 両親の仲が悪い事、
みーんな忘れてこんど生まれてくる時は、キンギョハナダイみたいに美しく、宿題の無いサンゴの海で遊ぶ夢を見る・・・こんな水族館が、いい水族館の一つでしょう。ですから関係者たちは皆、こぞってそのような水族館を目指し、其々独自の工夫を自分たちの館に施しています。
飼育の難しい生物、普段魚屋では切り身しか見かけない大きい魚、美しい魚、形が面白い魚、見たこともないもの、食べると美味しそうな魚・・・そんな多くの人気魚を世界中から集め、来館者がビックリするような新しい工夫で見て貰い楽しんでもらう為に、涙ぐましい努力を日夜重ねているのです。
無論、生態を研究してそれにあわせた環境を作り、繁殖など学問的な研究成果を上げる事も重要な目的です。
しかし、水族館の主テ―マは水中バーチヤル体験・・・つまり、あたかも水の中にいるが如き擬似体験なのです。
その点で、あまり目立ちはしませんが、隠れた重要な要素のひとつとして、『ギガン』というものがあります。


俳句

寺山修二

この名作に出てくる「義眼」のことではなくて、ここでのギガンは「擬岩」のことです。その海域の岩やサンゴの作り物のことですが、例えばマングローブの支柱根が擬岩から出ていたり、発芽した胎生の果実が擬岩から出ていたりすると、もう大変・・・    
「自然界ではこんなことないぞ、泥だろう、その海域は、、、」
な〜んて事になり、また・・・
「何年水族館の仕事やってるんじゃ」
となるのです。

 
実物のゴジラ岩   水槽のゴジラ岩

最近オープンの水族館には、その周辺の渚で有名なゴジラの形をした岩を大水槽に擬岩として入れています。又別の水族館は、その生物の環境再現の為に、外国までかたどりに出かけています。
擬岩は又、時として配管隠しや建物の「出モノ腫れモノ」を隠す役割もありますが、魚や海獣類の「安らぎの場」としての重要な役割もあるのです。

特にペンギンの水槽などでは、繁殖や健康維持のためにも、擬岩による特別の配慮が必要になります。
今後水族館の水槽の前では、自然を模した一幅の絵画として、又まだ見ぬ水中体験として、「ギガン」も鑑賞していただきたいと思います。

俳句
蝉麻呂
total today yesterday