#18 ボーカル録音の朝 [スタジオの管理]

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大島です。
今日は某アーティストのボーカル録音でした。スタジオで作業のある日は二時間前までには入り、準備するようにしています。スタジオ清掃から始まり機材の立ち上げ、マイクセッティングと順番におこないます。ボーカル録音に必要な機材は、マイク、ヘッドアンプ、そしてレコーダーであるプロツールスとなります。エンジニアによってはコンプレッサーやイコライザーを通して録音を行う事もあります。今日はマイクロフォンがノイマンのU67、プリアンプがFM ACOUSTICS,コンプレッサーがチューブテックのCL1Bで、これが先生のセッティングとなります。その後、スコア、歌詞のプリントを人数分コピーする事も大切な仕事の一つです。そして歌詞にカウンターを振り、すぐに言われた箇所を出せるようにしておく事も重要です。ブース内も、アーティストが出来るだけ気持ち良く歌える様、気配りが大切です。飴を用意しておいたり、椅子を用意したり、先日の女性ボーカル録音時では、花束を急遽用意してブースに飾ることで少しでも気持ちよく歌える工夫をする事もありました。コンデンサーマイクは湿気には弱いですが、アーティストのパフォーマンスの為であれば、加湿器をブース内に置く事もあります。ここまで準備ができたら後はレコーディングが開始されるのを待ちます。スタジオの朝はあっという間に時間が過ぎていきます。


#17 ベースの録音について [マイクロフォン]

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田中です。今回はベース録音について話そう。

まずエレキベースだが、基本はDI(ダイレクトボックス)を使用したLine録りだろう。
代表的なDIとしてはCountrymanの TYPE85 DIRECT BOX、BSS Audioの AR133 Active DI BOXなどが挙げられるが、これらFETを使用したものや、各スタジオにも独自に開発したDIがある場合もあるし、ジャンセンのようにトランスを使ったDIも存在する。もちろんBassAmpを鳴らすミュージシャンもいるが、その場合はLineとマイクと二通り録っておき、Mix時にLineとマイクを文字通りMixする方法をとっている。

BassAmpを録音する場合の私のマイクセッティングでは、エレクトロボイスのRE20、シュアのSM57、ノイマンのU87などを使用している。ベースはご存知の通り低域のエネルギーが多いので、少なからずマイクスタンドに振動として伝わり音に影響することを考慮して、前記のマイクすべてにサスペンションを使用して振動を吸収している。RE20、 U87などにはオリジナルのサスペンションが用意されているが、SM57にはオリジナルのサスペンションはないのでオーディオテクニカのサスペンションを使用している。このオーディオテクニカのサスペンションは非常に優れたものでショップスなど棒状のマイクにはどれにも使えるので重宝しているよ。

次にアコースティックベースだけど、アコースティックベースという言いかたよりコントラバスやウッドベースの方が伝わりやすいかな。コントラバスはストリングスセクションの中のベースで多人数での演奏が多くマイクの距離はfarとなる。対するウッドベースはJAZZやPOPSなどで比較的ピッツィカート(指で弦をはじく)奏法の多いベースで、演奏者は一人でマイクの距離はnearとなる、という認識で話は通じるだろう。(ちなみに、オーケストラではダブルベースという表記や言い方もある。)マイクセットもコントラバスとウッドベースではおのずと違ってくる訳で、コントラバスはノイマンU67やショップスCMC55、CMC56など、ウッドベースではノイマンM49、U47、U87を使用している。またウッドベースではタッチマイクをつけている楽器も多く、その場合LineOutが出ているのでDIを使用することも多いのが実際である。

音楽のBase(土台)をつかさどるBass。一般的にも土台がしっかりしていなければ何事も上手くいきません。音楽もさることながら仕事も人生も。このように土台が非常に大事であることは趣味でベースを弾いている大島君も理解できるでしょう。