#2 最初の基本 [スタジオの管理]

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皆さん、こんにちは。音響正調塾の用務員を担当することになりましたフジムラです。

正調音響塾が始まって日々、清掃作業にいそしむ私ですが、今日こんな出来事を体験いたしました。

「大島クン、おはよう。」
掃除機片手に教室に入ると、大島君が勉強中の様子。
「あっ、おはようございます、用務員さん。」と大島君。
「ごめんなさい。自習していたんだね。掃除をしようかと思ったけど、また後にしますね。勉強の邪魔をしちゃあ悪いからね。」と私が言うと、
「そんなことないです。少し休憩しますんで構いませんよ。そうだ僕も手伝います。」
と言って、私が持ってきた掃除機の電源ケーブルをコンセントに繋ごうとしました。

「大島クン!。そっちじゃないよ。掃除機は赤い方のコンセントに繋いでは駄目だよ。それは117Vのコンセントだから、日本の電気製品を繋いだら、壊れちゃうかもしれないよ。」

それを聞いてビックリした大島君はコンセントのコードを掃除機に格納してしまいました。

「それは117Vの電圧がきているので、赤く色分けしているんだよ。海外仕様の製品を繋ぐときに使うってこの前、先生から聞いたばっかりなんだから...。」

「コンセントの形は一緒なのに117Vなんですか?どうしてそんな中途半端な値なんですか?用務員さん。」

それを聞いて私は返答に困りました。
「うーん、私には詳しくわからないよ...。」

田中先生、助けてください!。

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田中です。
確かにコンセントの形状は同じだけれど、電圧117Vというのはアメリカ合衆国の仕様で、電源周波数は60Hzで運用されています。
日本国内の場合、一般家庭に供給される交流電圧は100Vだけれども、静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結ぶ線で二分された境界で、東日本側は50Hz、西日本側は60Hzの周波数で送電されているよね。
これは明治時代に関東の電力会社がドイツ製の発電機を採用し、関西の電力会社はアメリカ製の発電機を採用したことから始まっているんだけどね。
世界中の国々はそれぞれ違った電源電圧で運用されているから、海外製の機材を使うときには機器それぞれに見合った電源を確保することが大切だね。
きれいな音を得るためには、きれいな電源が必要なんだ。そうしないとその機材の本来の性能が発揮できないからね。
大島君、世界各国、本当にいろいろな仕様で運用されているから自分で調べてごらんなさい。


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大島です。
ヨーロッパでは多くの国が220V、 アメリカでは117Vが一般的であることから考えると日本は電圧が比較的低い事が分かりました。
他にも中国は220V、韓国は100Vと220V、インドは230Vを使用しているみたいです。
当然スタジオで使われる機材は日本製ばかりではないので、様々な国で作られた機材に対応することが求められるわけですね。
それとスタジオの壁コンにはアースが別になった、3極タイプが多いのも音質と関係があったりするのですか?


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スタジオの壁コンにはアース付きのものが多いのは、極性やアースが不完全であると音質に悪影響があるためです。
日本ではHOTとColdの2極コンセント(2P)が多数であり、Cold側にアースがされているのだけれど、見た目だけでは極性を正しく判断することは難しいね。そこでスタジオでは3極(3P)タイプの、アースが専用ピンで出ているものを使用して、視覚的にも間違えることなく極性を気にしないで良いコンディションの電源が得られるようにしているんだよ。

余談だけど最近のパソコンや携帯電話などは電源アダプターに変圧機能がついたものが発売されてきているから、海外に持って行ってもそのまま使えるものが増えてきているね。でも必ずアダプターに100V~240Vと記載してある事を確認することが大切だね。
電源についてはまだまだ話すべきことがあるけど、それはまた今度折をみてゆっくりと授業するから。