#14 コンデンサーマイク [マイクロフォン]

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大島です。
この前は基本的なマイクの原理を調べたので、今日は実際の音楽録音の場でどの機種が使われることが多いのか、調べてみようと思います。まずは主なマイクを種類別で挙げてみたいと思います。

ダイナミックマイクでは、SHUREのSM58SM57BETA57BETA58、SENNHEISERのMD421MD422MD441、AKGのD112、Electro-VoiceのRE20、audio-technicaのATM25 など。
リボンマイクでは、RCAの77DX、BEYERのM160N、ROYERのR-121、COLESの4038など。
コンデンサーマイクでは、NEUMANNのU87U87iU87AiU67U47fetU89iKM84、 SONYのC−38B、 AKGのC414EBC414TLC414ULSC451EC451EBC535EB、 B&Kの40064011、SANKENのCU-41など。
真空管を使用した物では、AKGのC12C24、B&Kの4040、NEUMANNのM149M269M49U47tubeU67tube、SONYのC-800G

このようにそれぞれの種類で様々な機種が存在しており、それぞれのマイクの指向特性や周波数特性、サウンドのキャラクターなどを理解し、実際に音を聞くことが、マイク選びでは重要になるかと感じています。
上記以外にも多くのメーカーが存在しますが、一つ一つ掘り下げてみようと思います。
まずは、およそ80年の歴史を持ち、多くのコンデンサーマイクの傑作を作り出して来たメーカーであるノイマンの機種についてです。

U67 — このマイクはこの音響塾のスタジオで最も使用する事の多いマイクで、伝統の一本として、ボーカル録りで使用される事が多いようです。ナレーション録りではほぼ100%使用しています。
音の柔らかさが魅力で、U67はEF86という真空管が入っており、マイク本体と専用電源ボックスで構成されています。指向性も本体で切り替える事が可能で、正面からの音に関して感度のよい単一指向性と前後からの音を等しく拾う双指向性、周り全体の音を均一に拾う無指向性が選べます。同じ形のM269というモデルも同時に作られ、こちらは真空管AC701を搭載しており音色に若干の違いがあるようです。
ちなみにどちらも現在は生産されておらず非常に貴重なマイクであるといえます。価格も非常に高価で、取り扱う際は、他のマイクに増して慎重になってしまいます。
U87 — このマイクは世界のスタンダードコンデンサーマイクとして音楽録音スタジオでは多く見かけられる様です。繊細で大音量に弱いコンデンサーマイクが多い中、比較的大音量にも耐える機種です。中域、低域ともにしっかり録れ、高域が存在感のあるギラついたサウンドらしく、録れない楽器は無いほど万能なようなので、エンジニアの方がいかなる楽器で使用する事が多いのか、非常に興味深いです。残念ながら塾のスタジオにはU87は置いてないため、実際に録音に使用したことはないですが、一回り小振りなU89iがスタジオにある為、8987の違いについても気になります。87系には8787i87Aiが存在し、87Aiが現在でも製造されている物のようで、サウンドの特徴は、いずれも似ており、後発の機種の方がゲインが高くなっているようです。
U47 — このマイクはU47fetと真空管を使用したU47tubeがあり、音色は87系に比べて高域に癖が無く、低域も自然な印象のようです。U47fetに比べてU47tubeはよりガッツのあるサウンドだそうですが、こちらも現在は製造されておらず貴重な一品であるといえます。
M49 — このマイクはラージダイアフラムの真空管マイクでU47にも搭載されているK47というカプセルを使用しています。2KHz以上の帯域が穏やかにブーストされた、ナチュラルな質感が特徴のようです。こちらもビンテージマイクとして非常に価値のある物で、真空管の変わりにFETを使用したTLM49が現行モデルとして生産されています。
KM84 — これは単一指向性のマイクで先生は主に弦で使用すると聞いた事があります。
コンデンサーマイクでよく使われるもので、AKGのC414EBも上げられます。
AKGは60年ほど前にオーストリアで誕生した音響機器メーカーで、ヘッドホンなどで非常に有名である印象を持っていました。C414は何を録音しても、印象よく録音できる貴重なマイクとして、ギター、ピアノ、ドラムトップ.シンバルなどで使用される事が多いようで、ノイマンU87と並んで、オールマイティー故に、多くのスタジオで見受けられるコンデンサーマイクです。
C451 — このマイクもAKGのコンデンサーマイクとしてよく使われる物で、高域の伸びがすばらしい印象で、繊細な音色を録音できるようです。比較的オールマイティーなマイクとして、ハイハットなどで使われる事が多いです。
B&Kの40034009は無指向性のペアマイクとして周り全体の音を均一に拾うためクラシックのオケなどでワンポイントマイクとして使用される事の多いマイクです。
ゼンハイザーのMKH416というコンデンサーマイク。このマイクは放送業界で、いわゆるガンマイクとして、ブームの先端に付けられ、同録時に使用されるマイクとして有名なものです。416が音楽録音の場で使われる事があるのか気になるところです。MKH816、このマイクもガンマイクとして使用され、416よりも指向性の鋭い超指向性マイクとして、テレビドラマやゴルフ中継の撮影時に使用されています。理論上、マイクはボディが長くなるほど、指向性は鋭くなっていく為、416よりも816のがボディは約倍の長さを持っています。
以上、主なコンデンサーマイクについてでした。
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